杜氏紹介
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杜氏 千野麻里子 紹介
酒千蔵野 杜氏 「千野麻里子」。
蔵元の一人娘として、醸造・微生物学を東京農業大学にて学ぶ。
微生物の世界に惹かれ、国税庁醸造試験所で2年間の研修を積み、日本酒の魅力を覚えて川中島へ帰郷した。
先代杜氏へ10年間の約束で杜氏修行をはじめるが、8年目を過ぎた春、先代杜氏の急病により杜氏へ就任。努力と抜群のセンスで、その後数々の受賞歴を誇る。
「お酒達には個性があるんです。素直でいい子もいれば、手のかかるヤンチャな子もいる。毎日その表情を変えるんですね。
私は学校の先生のような存在かもしれません。みんなの良いところを引き出し、悪いところを直すように導いて行くんです」
● 受賞暦
平成13年 | 関東信越国税局酒類鑑評会 金賞受賞 |
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平成14年 | 関東信越国税局酒類鑑評会 金賞受賞、全国新酒鑑評会 金賞受賞 |
平成15年 | 全国新酒鑑評会 金賞受賞 |
平成16年 | 全国新酒鑑評会 銀賞受賞、長野県清酒品評会 長野県県知事賞受賞 |
平成18年 | 関東信越国税局種類鑑評会 金賞受賞、長野県清酒品評会 長野県県知事賞受賞 |
ごあいさつ
私どもの蔵は、戦国の世・天文年間(1540年頃)の創業で、長野県最古の蔵元となります。当初は百姓酒屋といって、 余った年貢米をお酒にしてふるまったようですが、江戸時代中期になると、酒蔵を建て本格的に酒造りをしています。旧蔵の酒蔵・仕込み蔵はその時のものです。
うちは代々女系家族で、ずっと女性が酒蔵を支えてきました。酒造りが女人禁制とされたのは江戸時代で、“和醸良酒”といって、和を以って醸すとよいお酒 ができるが女性が入ると気がそがれることから、女性は遠ざけられたそうです。
私は一人娘ですので、祖父母から酒蔵を継ぐ教育を受け、醸造・微生物を学べる東京の大学に進学し、微生物の世界に惹かれて、国の研究所で2年間研修を重ね、日本酒の魅力を覚えて長野に戻ってきました。
杜氏になって
以前は蔵元と蔵人が分かれていましたが、私たちの時代からは現在のニーズに合わせたものと、昔ながらの伝統の酒造りが 必要ですので、お客様に納得していただける酒を提供するために、平成4年から自ら蔵へ入って、杜氏さんや蔵人さんと一緒に酒造りをしてきました。3年ほど 経って、杜氏さんが引退した際に私が引き継ぐために、10年間の約束で修行をはじめました。杜氏さんの病気で8年を経たときに急きょ私が杜氏となりました が、どの世界にも女性が進出し始めていて、受け入れられる体制ができつつありました。
いま杜氏となって酒造りをしていますが、4・5年前から焼酎ブームにおされ、国酒でありながら日本酒は低迷しており、厳しい時代に私たちはいるわけで す。やめられる酒蔵もありますが、せっかく地元で長く愛されてきていますので、杜氏としては気候・季節を読みながら、一切手を抜かずによいお酒を造っていきたいと思っています。
これからのお酒づくり
一時、日本酒から離れた人が日本酒に戻ってきており、新潟の酒の第1次ブームから真摯に取り組んでいる各地の蔵元の酒 が注目されて、第2次ブームとなってきています。米の食文化で育った日本人は、ご飯を欲するように、日本酒の旨さを再確認すると確信していますので、それに応えられる旨い酒を用意していくことです。
私どもの蔵では、代々築き上げてきた味の「桂正宗」と、若い層に向けた新しい味を二本柱にして、地元の酒米を使い、文字通り「長野で生まれ育ったお酒」 を提供しています。
新しい味の一つには、普段あまりお酒をお召しにならない方も楽しんでいただける、フルーティな「幻舞」があり、主に首都圏に向けて出荷しています。
ずっと同じ味をつくり続ける難しさと、新しい味をつくる楽しさを感じていますが、時代の流れに合わせた企画で、ひとつ上のランクのお酒をリーズナブルな価格でお客様に提供していきたいと思います。